第3章 第1章 ベルセリアの世界へ
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「え~っと、変なこと聞くようで悪いけど。ここに居る皆はアイゼンって見えてないの?」
彼女がアイゼンの名前を出した途端船員たちは驚いたような表情になった。
「船に乗ってる幽霊。じゃなくて?」・「こいつ等には俺の姿は見えていない。」
また、ベンウィックとアイゼンが同時に答える。
「幽霊じゃなくて、副長の!」
と彼女はベンウィックに答えてから
「そうなんだ。」
アイゼンに返事をした。
このことから判明したことは3つ
一つ この時間軸はまだ導師 アルトリウスが儀式をする前だということ。
二つ 彼女には霊応力があり、聖隷と会話が可能なこと。
三つ 記憶は現実のものを引き継いでいること。
まだ、夢だと思っている彼女がこの世界を本物の世界と感じることになるのは、これからである。