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【ツキウタ。】夏の太陽は秋の月には勝てない。

第1章 太陽と月



 俺は溜め息をつき、壁際に立っていた椿にいわゆる「壁ドン」をした。


「こーいうこと。」


 女子は全員、昼飯を買いに行った事を先程確認したので、教室にいるのは俺と椿と男子数人。

 ちなみに夜はトイレに行った。


 俺は椿の顎に軽く手を掛け、上を向かせる。

 上と言っても、いつも椿が俺と話している時の角度とたいして変わらないが、椿は身長が高くないので、俺にしては上を向かせているのだ。


「椿……」


――――グ〜〜――――


『……あ。』


 椿が腹を鳴らす。

 確かに腹は減った。

 でももう少し空気読もうよ!?


『ヨシ、お昼ご飯食べよう!

 陽、行こう』


「ハイ……」


 この腹の音に何度邪魔をされたことか!
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