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【DB未来トラ】想い*番外編

第1章 遊園地



 それから二人はなるべく並んでいないアトラクションを選んでいった。

 例のジェットコースターは一番並んでいた為に断念。

 だがあの時具合が悪くなって座ったベンチを発見し、そこで休むことにした。

 トランクスはあの時と同じように飲み物を買いに行ってくれた。


(そういえば、ここでリィナちゃんに会ったんだよね)


 目の前で泣き出したリィナちゃんを思い出しひとり微笑む。

 と、隣に誰かが座った。トランクスが戻ったのかと思ったが違った。


「ねぇ、君一人?」


 サングラスをかけた同じ歳くらいの男の子が突然話しかけてきた。


「いえ、ひとりじゃ……」


 困惑しながらも小さく答えるユメ。軽い感じの男性はどうも苦手だ。

 だが言い終わらないうちに彼はずいっとユメに近づいてきた。


「オレ仲間とはぐれちゃってさ、一緒に探してくれない?」

「え?」


 このベンチに座ると迷子(?)と出会ってしまう運命なのだろうか?

 妙な偶然に驚きながらもユメはしどろもどろに言う。


「あの、入口の方に迷子センターがあるので……」

「ユメ!」


 トランクスの声だ。

 声の方を向くとトランクスが両手にドリンクを持ってこちらに駆け寄ってくるところだった。

 すると隣の男は「なんだ、男連れかよ」と舌打ちし、そのまま走り去ってしまった。


「何? 今の奴」


 トランクスが男が去った方を睨みながら言う。


「なんか仲間とはぐれちゃったんだって。おもしろいね、リィナちゃんと一緒」


 笑いながら言うとトランクスは大きく息を吐きながら隣に座った。


「思いっきりナンパだよ、それ」

「へ?」


 ドリンクを受け取りながら目を瞬かせるユメ。

 それを見てトランクスはもう一度小さく息を吐き俯いてしまった。

 そんなトランクスにユメは戸惑う。


 ――ひょっとして、怒ってしまったのだろうか?

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