第2章 クリスマス
優しく呼びかけると、ユメはぼんやりと薄目を開けた。
そしてそれがトランクスを捉え大きく見開かれていく。
「ト……トランクス!?」
ガバっと起き上がるユメ。
「うそ!? なんで? どうしてトランクスがここに……もしかして夢?」
「夢じゃないよ。どうやら今度はオレの方がこっちの世界に来られたみたい」
そう言ってユメの頭を優しく撫でるトランクス。
しばらく気の抜けたような顔でトランクスを見つめていたユメだっだが、見る見るうちに泣き顔に変わっていった。
「トランクス! 逢いたかった……っ」
ユメはトランクスの首に飛びつく。
「逢いたいって、ずっと思ってた!」
「オレも、逢いたかったよ」
トランクスもそんなユメの体を強く抱きしめる。
……今この時にしか感じられない温もり。
逢えない間は、このあたたかさを思い出そうとしてもただ寂しくなるだけだから……。
今は、この愛しい人を強く感じていたかった。
そして、そのあと二人は何度もキスを交わした。
お互いの温もりを確かめるように……。
「でもまさかトランクスがこっちに来てくれるなんて、考えもしなかった」
「オレも驚いたよ」
ユメの左手の薬指には、さっきトランクスからプレゼントされたリングが光っていた。
そしてトランクスの首には手編みのマフラー。
さっきは漸く完成したところで、いつの間にか眠ってしまったのだとユメは笑った。
「でも、折角出来上がっても、渡せなかったらって考えたらすごく辛かった」
「うん。オレも同じ」
寄り添って、クスクス笑い合う二人。
「クリスマスだし、きっと逢いたいって気持ちがお互い強くなったんだ」
「うん。そうだね」
もう一度軽くキスをして、ユメは言う。
「トランクス、サンタクロースみたい」
「え?」
「だって、クリスマスの夜に逢いに来てくれたから」
少し照れながら言うこの可愛い恋人が、たまらなく愛しくて……。
トランクスはまた強くユメを抱き寄せた。
「来年のクリスマスも一緒に居られたらいいね」
「うん……きっと……」
Merry X’mas☆