• テキストサイズ

【DB未来トラ】想い*番外編

第1章 遊園地



「……っは」


 長く感じたキスが離れると、ユメはそのままトランクスの胸に顏を埋めた。――恥し過ぎてすぐには顔が上げられなかった。

 耳まで真っ赤になっている恋人にまた「可愛い」と囁いて、トランクスはその身体を優しく抱き締めた。





 無事お化け屋敷を脱出できた二人。ユメの顔はまだ火照ったままだった。


「次はどこ行こうか。結構長くいたから、もうどこも並んじゃってるかな」

「……」

「ユメ?」


 トランクスは、自分のほっぺたを触りながら俯いているユメを見下ろす。


「……なんか、トランクス変わった」

「え?」

「なんか、積極的になったっていうか……」


 小さく言うユメ。

 前は何かあるとお互い顔を赤くしていた気がするが、今は自分だけがこんなに赤くなっている。

 その分恥ずかしさが倍増した気がする。


「え、嫌だった?」


 トランクスは「変わった」と言われて少し焦ってしまったようだ。


「ううん! 嫌ってわけじゃなくて……その、私だけ照れてて、なんかずるいっていうか……」


 言いながらまた赤くなっていくユメを見て、トランクスは微笑む。


「いつまたユメが帰っちゃうかわからないからね、そばにいる間はなるべく近くにいたいんだ」


(あ……)


 見上げると優しく細められた瞳とぶつかった。

 胸がちくり小さく痛む。

 二人にとってきっとこれからも続いていく、どうしようもない痛み……。


「だから、今日は思いっきり遊ぼう!」


 その痛みを振り払うかのように、トランクスは子供のような無邪気な笑顔で言った。


「うん!」


 ユメもその気持ちに応えるように元気に頷く。


 トランクスの近くにいると、ふと自分がこの世界の人間でない事を忘れそうになる。

 いつ、元の世界に戻ってしまうか。

 いつ、この手の温もりがなくなってしまうか、わからないことを……。



 歩きながら繋いだ手を少し強く握ると、トランクスが笑顔で振り向いた。


「トランクス」

「ん?」

「好き」


 照れながらも言うと、トランクスの顔が瞬時に赤く染まった。

 その反応を見てユメは「やっぱり、トランクスだ」と、声を上げて笑った。


/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp