第2章 クリスマス
今日はクリスマスイブ。
でも愛しい人はここにはいない。
(ユメ、今、何してるかな……)
そう。ここに……この世界に今、ユメはいない。
トランクスは会社の大きな窓から澄んだ青空を見上げ、小さくため息をつく。
前に逢ったのはいつだったろうと考えてやめる。
もう二度と逢えないのだと絶望した、あの半年間よりはマシだ。
二人の強い想いが重なったとき、また逢えると信じているから……。
「トランクス、聞いてる?」
「え? あ、はい。すいません」
母でありこの会社の社長でもあるブルマに声を掛けられ、慌てて視線を戻すトランクス。
年末になり慌ただしくなった仕事のことで話し合っている最中だった。
「もう。またユメのことを考えていたんでしょ」
「え!? や、その……」
面白いくらいに分かりやすい息子を見て、だが寂しそうに笑うブルマ。
「しばらく逢ってないものね」
そして「クリスマスなのにね……」と溜息を漏らしたのだった。