第18章 交わり
「…あッ、いや…ッ、はぁ…カ、カク…」
苦しげなラビュルトのか細い声。
入り口の近くを強く擦ると、頭にラビュルトの手がかかった。ビクビクと指に大きく引き攣れた震えが伝わる。
「ひ…ッ、あ、あ、あン、んん…は、はぁ…ッ」
トロトロと溢れる蜜を舐め取り、肉芽を啄み舌先を使った。突き、円を描き、音を立てて吸い上げる。ラビュルトを動かす箇所をヌルヌルと擦りつつ、指に襞を纏わせながら壺口を抜き差しすると、腰が高く上がった。
「あ、あ、あ、あぁあッ、だ…ダメ…ッ、いや、や、あッ!ああぁッ!」
激しい指の動きにラビュルトが嬌声を上げ、跳ねた腰がシーツに沈む。
カクの頭が弾けた。
「すまんッ。優しいしきれん…ッ」
「あ、や…ッ、待っ…はぁッ、ん…ッ」
呻くと、蕩けるラビュルトにいきり立った己をあてがい、ひと息に腰を沈める。ビリビリと背筋に震えが走った。
「ふ、ぁあッ」
強く腰を打ち付けると、ラビュルトが指を噛むのが見えた。固く閉じられた目尻に涙が見える。くぐもった声は苦しげだ。
「…ラビュ…。すまん…」
思わず、動きが止まる。
「辛いか?悪かった」
瞠目してカクは首を垂れた。
「……何で謝るの…?」
その頭にそっとラビュルトの手が触れる。甘えるようなしっとりした掠れ声がカクの顔を上げた。
潤んでいつもより色濃く見える灰色の瞳が、明るいトネリコを燦かせてカクを見上げている。
「カクに凄く気持ちよくして貰って…こんなに嬉しいのに…?…何で謝るの…?」
「……はぁ…本気で言うとるのか?」
手をついて見下すカクの頬をラビュルトの手が包んだ。
「当たり前じゃない。何でアタシを疑うのよ」
カクの目が、丸く開いて細まった。
繋がったままラビュルトの体をギュッと抱き締める。腰が自然に動いて、ゆっくりとラビュルトを突く。
「…んン…ッ」
「…ラビュ…」
緩やかに抜き差ししながらカクはラビュルトの濡れた目元に口吻けた。
「ワシャ、お前さんがどうでも好きじゃ」
「ぅン…あ、アタシも。…はぁッ、アタシも、カクが好き…あ…」
喘ぎながらしがみついて来るラビュルトに、カクは堪らない気持ちになる。
大事にしたい。どうすりゃ大事に出来る?
呑まれたカクも呑んだラビュルトもひどく熱くなっていた。少し動くだけで強烈な快感が襲って来る。