第18章 交わり
ラビュルトが背中に爪を立てた。甘い痛みが更にカクを煽る。
「ラビュ…ッ」
もう耐えられなかった。大きく引き抜いて、勢い良く奥まで突く。
「はッ、ああッ」
濡れた音が何度も何度も耳を打つ。痛いくらいに膨らんだものが容赦なくラビュルトを貫いた。
「…いゃッ、あ、カク…ッ!あ、あ、アタシ、もう…ッ!ふ、あッあ、あ…ッ」
首を振って腰を浮かしたラビュルトをカクは再び抱き締めた。
「…ぐッ、ワシも、もう…いかん…ッ」
一際強く腰を打ち付ければ、最奥に届いて腰にまた痺れが奔る。
「う、あッあッ、あ、あ、あッ、あ…カ、カクゥ…ッ!…ぁあああ…ッ!!」
「…くッ、…ふう…ッ」
ラビュルトに口吻けた瞬間、激しく締め付けられてカクは爆ぜた。ラビュルトの腰が跳ねて、ガクンと沈む。
「…は…はぁ…ッ」
折り重なって横たわると、互いの荒い呼気が互いの体を揺らした。
汗で貼り付いた白髪を額から除けて、口をつけると塩辛い味と薄荷の香りがする。
答えてカクの耳の脇に唇を寄せたラビュルトが、息を吐くような声を漏らして笑った。
「…バターが消えた。…カクの匂い…」
顔を上げてカクはラビュルトを見た。
「ワシの匂い…?」
「木の匂いがするのよ、カク」
「…ああ…そうか…」
妙に満ち足りた気分になった。
ラビュルトの小さな頭をかき抱いて、口角を上げる。
「…お前さんからは、やっぱり薄荷が匂うとる…」
「うん。…ふふ…」
ラビュルトの腕が首に回った。
…いやに幸せだった。ひどく、幸せだった。