第29章 水が流れ出す
「そのドレスに砂嵐で錆びれたその声、話に聞いた事がある。荒稼ぎが得意の砂漠の盗賊とはお前さんの事じゃなかろうかのう。砂漠の女商人、ディザーディア·クルスーム。ゼラニウムレッドのディディ?」
「…何だ、この鼻は?」
「いや、鼻じゃないし!カクだし!」
眉をひそめたディディにボン·クレーがビシィッと片手を大振りして突っ込みを入れる。
「やかましい。何でコイツがここにいる?お前CPと連んで馬鹿の有効範囲を拡大してるのか?何処に行っても迷惑なオカマよ。とっとと塵になり失せろ。くれぐれも言っておくが砂漠で塵になるのは許さんからな。砂が穢れる。…おお、考えるだけでおぞましいわ」
「誰が塵になんか…ちょっとォ!?ババァのくせに生意気にサブイボ立ててんじゃないわよッ!弛んだ肌がブツブツって…ブツブツ……ブツブ………いやぁぁぁあぁぁ!!!!気ン持ち悪ゥいィィい!!!!ぅあだッ!何よン!気安く引っ叩くんじゃないわよ!弛んだほっぺた引き伸ばして髪結えるわよン、この砂かけババァ!アンタこそとっとと砂漠に戻って化石化しちゃいなさいよン!化石ンなって割れて砕けて砂になっちゃ……ったら、怖くてアチシもう砂漠になんか行けないじゃなァーい!?砂漠のお宝は全部諦めろってコト!?ホンット何なのよン、アンタってババァは!ンもう砂漠帰って砂でも迷惑でも好きなだけかけてなさいよ!アチシ以外の誰かに!化石とか砂とかなんなくていいから!反って怖いし!目とか服とかに入んない分砂じゃない方がまだマシだし!取り敢えずアチシの前から消えちゃいなさいよ!砂かけババァなんか呼んでないのよ、お呼びじゃないのよン!!!」
「下らん事を長々と、相変わらずどっかおかしいぞ、お前は。恐らく頭だろうとは思うが、出来れば少し直せ。出来なくても直せ。すげ替えてでも直せ。考えるだけでも気が遠くなるからお前という化け物自体を何とかしろとは言わんが、頭だけでもどうにかしろ。頭だけならまだ楽だろう」
「何が楽!?どこが楽!?他人事だと思って好き勝手言ってっと食後に頑張って食っちゃうわよ、不味くても我慢して!てか、アチシに頑張らせないでアンタこそ泉に沈んで全取っ替えして貰いなさいよッ!キレイなジャイアンみたく!」
「誰がジャイアンかッ、このボン·クラーが!」