第24章 ひと粒の気持ち

「一人で男も女も兼ねちゃってんのよ!?自給率100%！パーフェクト！優れ者じゃないン!?」

「生殖出来ないんだろ？新人類じゃなくて突然変異体じゃないか」

「何この！今に見てらっしゃい!?オカマで世の中を埋め尽くしてやるわよぅ！みんなまとめてオカマ色に染めてやっからな、おお!?」

「人類が先細りになって絶滅するぞ？滅びの使者か、お前達は」

「誰がノストラダムス!?」

「それは恐怖の大王だろ？しかも賞味期限過ぎてるぞ、その予言」

「じゃマヤ暦!?ホピの最終予言!?」

「確かにボン·クレーの髪型は立派なマヤだよね」

「そうそうアチシってばもう髪がすンげー立派なマヤインカ……って誰がパッツンじゃあァ!!!」

「お前がパッツンじゃなくて誰がパッツンなんだ。しっかりしろよ、ボン·クレー。立派なパッツンだよ、凄いよ、ボン·カレー。……ふ…ハハハハハ！」

カヤンが腹を抱えて笑い出す。ボン·クレーは呆れ顔で砂漠の少年を見やった。

「何がそんなに可笑しいのよン？やぁねえ、年頃のガキは！ねィん、カク？」

「ワシに振るな。ワシャマヤインカにゃ興味ない」

「あー、そうよねィん…ピノキオはマヤインカよりサーカスよねィん…」

「…おい、ワシを巻き込むな」

「アハハハハ、サ、サーカス！ハハハ、ボン·クレーがサーカス！止めろバカ、似合い過ぎだ！ハ、ハハハハハ！」

「アチシじゃないっつうの！カクの話でしょ!?何でアチシがサーカス行き!?フザけんじゃないわよ!!」

「や、止めろ、く…苦しい…！ライオンに食われるボン·クレー…だ、駄目だ…ハ…ハハハハハハハハ!!」

「ライオンに食われるアチシ!?いやマジちょっと待て。アンタ、サーカスが何だかわかってンの？徒歩で行くサファリパークじゃないのよン？そんな危険で疲れるモンじゃないわよン、サーカス！もっと夢と希望とメルヒェンとピノキオで鼻なのよン、サーカス！何そんなド勘違いして大笑いしてンの！てかアンタホント笑い過ぎ！腹が弾けるわよ、ちょっと!?」

「サーカスに鼻は関係ないわい。カヤンが笑い止まんのはお前さんの責任じゃ。早うその顔を何とかせい。顔が無理なら髪だけでも十人並みにしたらどうじゃ。削いでやらんでもないぞ？どうじゃ？」

「どうじゃって何!?何言ってんの!?ブッチギリでお断りだわ!!オカマ伝染すぞゴラこの鼻あァ!!」