第72章 デリバリーサンタ トド松
「ここじゃちょっと寒いよね?ベッドでのんびりしよっか?」
「え?う、うんっ」
トスンとベッドに降ろされる。
「きて…トド松くん」
両手を広げて甘えると、ベッドにダイブして抱きしめてくれた。
腕を肩に回され腕枕の体勢になる。
ようやく目が慣れて、暗がりの中でもトッティの表情が分かるようになった。
ほっぺたにそっと手を添えれば、困ったように微笑むキミ。
「もうっ、積極的で困っちゃう。隣にいるのがボクじゃなくて兄さん達だったら、とっくに襲ってるよ?」
「そういえば、みんなは家にいるの?」
「うん、ゾンビになってる」
「どういうこと!?」
驚くわたしの反応を楽しむように笑うトッティ。
「主ちゃん知らないの?クリスマスに予定のない童貞は、生ける屍になっちゃうんだ」
「そんな話初めて聞いたけど」
「アハハッ、信じるか信じないかは主ちゃん次第だけど、兄さん達なら今頃、内蔵で縄跳びでもしてるんじゃないかな?」
「また変な冗談言って!」
「ゴメンゴメン、せっかくこんなにいい香りと星空に包まれてるのに、ボクってば雰囲気ぶち壊しだよねっ」
くるんと横向きになり、お互いの唇が触れそうな距離で視線を絡める。