第78章 ※おまけ ありがとうを君に
—主ちゃんへ—
十四松です!
げんきですか?
ぼくはげんきです!
りゅう学がんばってる?
ぼくはね、野球がんばってるよ!
あと時どきバイトもしてるんだ。
すっげー重いし材はこんだりしてます!
今度工場の面せつに行ってくるよ。
きんちょうするけどきっとだいじょうぶ!
ぼくには主ちゃんがいるから。
早く主ちゃんのラッパがききたいな。
それまでに、きっとぜったいしゅうしょくするからね。
またほうこくがあったら手紙かくよ。
じゃあまたね。
松野十四松
—十四松くんへ—
手紙ありがとう。
文章から十四松くんが溢れ出てて、読みながら笑っちゃった。
「四」の字を野球のボールみたいに書いちゃう癖は、履歴書では出さないように気をつけてね?
あと、難しい漢字も頑張って書くんだよ?
私はこの間、古城ホテルに師匠と門下生の皆で泊まってきました。
そこのホテルから演奏依頼があって、ノーギャラの代わりに一泊させて貰ったんだ。
演奏のあと、みんなで城内探索したんだけど、入り組んだ城内には所狭しと調度品が並んでるし、隠し部屋もあったし、まるでRPGの世界に入り込んだみたいだった!
十四松くんと一緒に泊まったら、絶対楽しいだろうなぁ。
いつかきっと、二人でドイツ旅行しようね。
レッスンや練習漬けで毎日クタクタだし、時々ラーメンが恋しくなるけれど、私は楽しく過ごしてます。
コンクールまであと一ヶ月。全力で頑張るから!
辛い時は、みんながくれたトランペットを吹いて楽しかった日々を思い出してるよ。
会えなくても、十四松くんやみんなが遠い空の向こう、元気に笑ってるって思うだけで私も元気になれるんだ。
離れててもお互い頑張ってるって思うと、焦りや不安が吹き飛んじゃうんだ。
十四松くんは凄いね。離れてても私を励ましてくれるんだもん。
…なんて強がっちゃったけれど、本当は凄く寂しいし今すぐ会いたい。
帰国したら一番に会いに行くからね!
だから、会えた時はまたいつもの笑顔を見せてほしいな。
そうそう、チョコレート奮発したから丸呑みしないで大事に食べてね?
沢山入ってるからおそ松くん達にも分けてあげて。
私も何かあったらまた手紙書くよ。
じゃあまたね。
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五男の場合 fin