第71章 ※デリバリーサンタ 十四松
「主ちゃん、メリークリスマス」
パッと拳が開かれ、コロンと手のひらで踊ったのはキーホルダーだった。
小さな野球のバットとボールが付いた、十四松サンタらしいプレゼント。
バットには「主ちゃんへ 十四松」と油性マジックでサインが書かれている。
わたしの反応が気になるのか、チラチラとキーホルダーとわたしの顔を、可愛い視線が何度も往復している。
「うん…素敵なプレゼントありがとう…とってもとっても嬉しいよ」
「ほんとにーー!!」
「うん!このキーホルダーのおかげでもう寂しくないもん。十四松くんがいつも一緒にいてくれるから…」
わたしは起き上がり楽器ケースにキーホルダーを付けた。
十四松くんらしい素朴さが、可愛くて愛しかった。
嬉しくなって抱きつくと、十四松サンタはギュッと抱きしめ返してくれた。