第71章 ※デリバリーサンタ 十四松
(また野球関連かなぁ?でも、こんなに小さい野球グッズって何だろう?ボールなら丸くてすぐ分かるし…)
袋を開け手の上でひっくり返せば、ジャリっとした金属音。
「わぁ…かわいい!」
3つ目のプレゼントは、小さなハートが愛らしい、イエローゴールドのネックレスだった。ハートの中心には小さなダイヤがきらめいている。
「ありがとう…!でも、こんなに高そうなのどうしたの?」
「主ちゃんに会えない間マグロ釣ってたー!」
「そうだったんだ…」
十四松くん、わたしのために働いてくれてたんだ。
働いている姿を想像するだけで泣けてくる。
早速ネックレスを着けて彼に見せた。
「どうかな?」
「うんうん!キラッキラだねーー!!」
「本当にありがとう!大事にする!」
彼は満足そうに笑った後、また袋の口を広げた。
「次で9回裏だよー!!」
「……?」
解釈に少し時間がかかったけれど、おそらく次で最後のプレゼントという意味だろう。
「も、もういいよ!こんなに沢山貰っちゃったのに!」
さすがに悪いと思って遠慮すると、十四松くんは少し寂しそうに微笑んだ。
「でも、これが本当にあげたかったプレゼント」
手を掴まれ、トンとわたしの手のひらに十四松くんの拳が乗せられた。