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おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第70章 デリバリーサンタ 一松


口にしたのは、心とは裏腹な言葉。


「……いらないなら、捨てればいい」

「え…?」

「おれも…その猫も……」


あーあ。

バカじゃねーの。

何言ってんだ…おれ。

死にたい。

いっそもう、一思いに殺してくれ。


「…ありがとう」

「…?」


意外な言葉が返ってきた。

そのまま、主の手が伸びて腕の中に包み込まれる。


(呆れられると思ったのに…)


顔を上げれば、そこにあるのはいつもの優しい主の笑顔。


「クリスマスプレゼントでしょ?すごく可愛い黒ニャンコだね。一松くんみたい」


おれみたい…か?

おれってそんなに、可愛くて愛しくて抱きしめたくて一日中眺めていたいか?


「この子が寂しがるから、うちにたっくさん遊びに来てあげてね?」


主。

…そうやってお前は、いつもダメダメなおれを受け入れてくれる。

こんな、めんどくさいおれなんかを。

ごめん。

ありがとう。


「べつに、来てもいいけど……お前じゃなくて、黒ニャンコのためだから…」

「うんっ、ありがとね」

「っ!?」


主は黒ニャンコをベッドの端に置くと、おれの頭を手で引き寄せキスをした。

おれの心をじんわりと優しくあっためる、柔らかなキス。


唇が離れ、主を見つめる。

はだけた胸元、熱っぽい視線、紅潮した頬…。

見てしまったが最後、男の本能が疼きだす。

もう、止まんない。


「ねぇ、おれが可愛い可愛い黒ニャンコだって?」

「うん…可愛いもん」

「へーぇ、そーですか」


ケッ。

可愛いだけじゃないって身体に教えてやらないとな。


帽子と上を脱いでから、甘い首筋に噛み付いた。




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