第70章 デリバリーサンタ 一松
とりあえず、朝起きて谷間に黒ニャンコはムードもクソもないので、黒ニャンコを救出することにした。
いったんベッドから降りて、主の顔が見える位置に回り込む。
(うわ…)
エッロ。
ワザととしか思えない絶景が目の前に広がる。
パーカーのファスナーが絶妙な位置まで下がってて、谷間からピョコンと黒ニャンコの頭が覗いてる。
あーおれもこの黒ニャンコになりたい!
主に包まれて甘えてぇなぁチキショー!
じわじわと腕を伸ばし、黒ニャンコの頭を掴んだ。
その時、事件は起きた。
「っ!?」
おれの手を主がガシと握りしめる。
「人のおっぱいに手を突っ込んで、何してるのヘンタイ松くん?」
(へ、ヘンタイ松くん!?)
ん?なんで今心臓がキューンってしたんだ?
「なに?このぬいぐるみ」
「な、何ってわかんだろっ!!」
「分かりません。教えて?」
手を引かれベッドになだれ込む。
両手を付くと、腕の間で妖艶に微笑む主。
小悪魔よろしく、ゆっくり、ジィィィとパーカーのファスナーを下げてゆく。
「だ…だから見てわかんだろっ!猫だよ!黒猫!」
「そーゆー事じゃなくて。ねぇ?このぬいぐるみ、なぁに?くれるの?い・ち・ま・つ?」
なんだその吐息が混じった呼び捨ては!?
いちいちエロいなコンチキショー!!
そんなに狼狽えるおれを見るのが楽しいのか!?
悪趣味だ!
悪趣味だよ……主様!!