• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第70章 デリバリーサンタ 一松


主人公視点



眠っていたら、ふと何かの気配に気づき目を開けた。

不気味な窓を叩く風の音。

そして、真っ暗な部屋にポツンと人影。

人影は、ベッドに横たわるわたしを舐めるように見ている…ような気がした。

金縛りで幽霊を見る事は、10代の頃頻繁にあった。
あれが、本物の幽霊なのかただの夢だったのかは未だに分からない。

でも、今私は起きている。

意識はハッキリしているし、身体も動かせる。

夢なんかじゃ、ない。

という事は、本物の幽霊もしくは不審者だ。

幽霊より生きた人間の方がはるかに恐ろしい。

恐怖で歯がカタカタ震える。


(逃げなきゃ…)


震える足でベッドから降り、リビングへ向かおうとすると


「……おい」


腕を掴まれた。


「キャーーッ!」


咄嗟に電気をつけ、足元にあったスリッパで影の主をペチンと叩く。


「……」

「あ……ごめん」


そこには、ブスッとした紫のサンタさんがいた。


「いや、フツー分かるでしょ?」


分からなかった。

だって、禍々しくおどろおどろしいオーラが、部屋一面立ち込めていたんだもん。



/ 1118ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp