第69章 ※デリバリーサンタ チョロ松
チョロ松視点
僕は思い知った。
童貞の本気を。
童貞の執念を。
まさか、ゾンビ化したコイツらが僕の邪魔をしに此処まで来るなどと、一体誰が想像出来ただろうか?
ごめん…主ちゃん…。
僕が甘かった。
せめて、一人一人にエロ本配って家を出ていれば、こんな大惨事にはならなかったかもしれない。
関節技とフルスイングの同時攻めで、僕の身体はボロボロだ。
ってゆーか、関節技って、お前ら絶対意識あるだろ。
ああ…もうダメだ。
腕が変な方向に曲がっている…気がする。
僕の人生、ここでエンディングを迎えるの?
もっといい終わり方がよかった。
主ちゃんに罵られながら死にたかった。
だけど…まぁ。
脱童貞出来たし…悔いはない…かな。
僕の頭上に天使がヒラヒラと舞い降りて来る。
へー、天使って実在したんだ。
かーわいーい。
ハハハッ。
目を閉じる。
僕は、自分の運命を受け入れた。
さぁ、天使よ…僕を…
——パチパチパチパチ!!
え…?
拍手?
「カーット!みんなスゴイねー!!」
うっすらと瞳を開けば、主ちゃんが僕の目の前にいた。
目を爛々と輝かせながら、しゃがんで僕らを覗き込んでいる。