第69章 ※デリバリーサンタ チョロ松
主人公視点
「主ちゃん!!ベッド脇でしゃがんでて!!」
目の前に広がるのは、残酷な現実。
「みんな…どうして…」
あんなに優しかったみんなが…。
「どおぉぅうてえぇぇえいぃぃい…」
「なーめーんーなーーー…」
ベランダから汗だくでやってきたチョロ松サンタと、ベッドで30分くらいお喋りしていたら、何故かゾンビになったおそ松くんたちが窓から侵入し、私達に襲いかかってきた。
みんなサンタやツリー、トナカイの可愛らしい仮装をしているのに、鼻につく腐敗臭を漂わせ変わり果てた姿に…。
チョロ松くんは、わたしが部屋に飾っていたスペースウォーズのライトセイバーで、サンタ帽を振り乱しながら五人相手に一心不乱に戦っている。
「主ちゃんに近寄るなぁっ!っつーか帰れ!」
「ぐあぁぁぁあっ!?」
(っていうか、プラスチック製なのに…なんで効いてるんだろう)
ゾンビだから、ふにゃふにゃなのかな?
なんて考えていたら、
「オーンーナーノーコーータベタイータベラレターーイ…!」
「キャーーッ!?」
死角から、赤いサンタ姿のゾンビが飛びかかってきて胸を揉んできた。
「このっゲス長男!!またお前は性懲りもなくーーっ!!」
チョロ松くんがベッドから大ジャンプ。
ライトセイバーを脳天に振り下ろした。
「あぁじゃぱあぁぁあ!!」
赤いサンタゾンビの身体が中心から真っ二つに分かれ、肉塊となりグシャリと崩れ落ちた。