第67章 ※十四松とファンファーレを 五男END
おそ松視点
(十四松のヤツ、何気ィ使ってんだよ。お前の彼女だろーが)
ま、面白いからいいけど。
きっとあいつは、兄弟みんなに主ちゃんと仲良くして欲しいんだろう。
(ヤキモチ焼いてるくせに)
でもそれが十四松。
わけわかんなくてぶっ飛んでても、いいヤツなのが十四松。
だから主ちゃんも、十四松を好きでいてくれてるんだろう。
一松が、震える手で黄色いラッピング袋を主ちゃんに渡す。
それを無言で見守る俺たち。
「……これ、おれらの…気持ち」
「ありがとう…」
「あけてあけてー!!」
十四松は、二人を見て嬉しそうにはしゃいでいる。
そんな十四松に主ちゃんは微笑みかけると、丁寧にラッピングのリボンを解いた。
「…楽器ケース?」
楽器ケースを開けて中身を取り出せば、サイコーな笑顔になる主ちゃん。
楽器は楽器でも、ちょっとだけひねりを効かせてあるんだな、これが。
「すごーい!プラスチック製のトランペットだ!!ベルにみんなの寄せ書きもある!」
へーぇ、ラッパの朝顔っぽいとこベルって言うのか。
ただの台紙をあげるのはド定番だから、楽器屋で見つけたプラスチックのラッパに、みんなで寄せ書きをしようってなったんだ。
提案したのは十四松。
プラスチックってだけで、作りは金属製のラッパとほとんど変わりないらしい。
俺たちには、楽器の善し悪しとかよく分かんねーけど、気軽に持ち運べて遊びで吹くのにはいいんじゃないかと思う。