第67章 ※十四松とファンファーレを 五男END
トレイをレジカウンターに乗せて待っていると、カレーパンの陳列を終えた十四松がダッシュでこちらに向かってきた。
(嬉しそうにしちゃって)
照れくさそうにニッカリ笑う僕の弟。
「大変お待たせしましターーッチアーーップ!!」
——ズザアァァァッ!!
なんで今スライディングした?
フロアマットがズレちゃってるよ?
「お会計ですかー?」
「はい、そうです」
「あんぱん一つ入りまーす!!」
「そういう掛け声いらないから。ここ、ホストじゃなくてパン屋なんで」
「後悔しませんね?」
「何がですか?」
ヤバい。
コイツのペースに飲まれてきた…。
「こちらの商品、菌まみれですけど?」
「ええと、カビとかじゃないなら何でもいいんで早くして」
「パンパンパンパンイーストきーーん!!」
「はい、良い菌ですね」
厨房から、店長らしきおじさんがチラチラこちらを見ている。