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おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第67章 ※十四松とファンファーレを 五男END


チョロ松視点



十四松がパン屋でバイトを始めた。

まず、なんで採用された?という疑問は、とりあえず置いておこう。

採用されてしまったものは仕方がない。

だけど、あの十四松だよ?

フランスパンをバットにして素振り始めたらどうする?

バイト着じゃなくて、野球のユニフォームに着替えてストレッチしてたらどうする!?

というわけで、僕はにゃーちゃんのライブ帰り、あいつのバイト先に寄ることにした。

余計なお世話なのは重々承知である。

でも、心配で仕方が無かったんだ。


煉瓦造りのオシャレなパン屋を目の前にして、僕は深呼吸をした。


「いらっしゃいませーー!!」


自動ドアが開くと、揚げたてのカレーパンを並べながら元気に挨拶する十四松がいた。

よかった。

フランスパンをバットにしてないし、ちゃんとパン屋の制服を着ている。


「いらっしゃいませーー!!」


同じ顔だからバレバレだけど、とりあえず他人のフリをして軽く会釈した。


「いらっしゃいませーー!!」

「や、やぁ」


シツコイよ十四松。

冷たくしてるわけじゃない。
バイト中おしゃべりしてたらお前が怒られるだろ?


「らっしゃーーーい!!」


なんで威勢良くなったんだよ…。

僕は無視してトレイとトングを取る。


「らっしゃいらっしゃいチョロ松にーさーーん!!」

(バカッ!!名前呼ぶなっ!)


そっと耳打ちするとキョトンとしている。

来て早々後悔した。

店に来たのは失敗だった。


恐る恐る店内を見回すと、混まない時間帯だったのか、僕以外に客はいない。
他の店員は裏に回っているようだ。

ほっと胸をなでおろす。


「十四松、仕事中僕は兄弟じゃなくてただの客なんだから、むやみやたらに話しかけちゃダメ」

「えー?」

「えー?じゃない。今この空間で僕とお前は店員と客。わかった?」

「あいっ!」


速やかに店を出た方がいいと判断した僕は、あんぱん一つトレイに乗せてすぐにレジへと向かった。



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