第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
痛みに堪えながら、木に手をついてヨロヨロと立ち上がる。
腫れ上がった両頬を手で撫でた。
フッ、こんな傷、パイでかさんのハートブレイクに比べれば痛くもかゆくもないさ。
歩き出そうと右足を踏みしめたら、
「カラ松くぅーん?」
「…おそ松?」
背後からブラザーの声がした。
振り向けば、そこにいたのは武装した五人のブラザー達。
なぜかみんな、ゴルフバットやヌンチャク、釘バットを装備している。
「いやぁ、まさかカラ松がこんなにモテるなんて、お兄ちゃん知らなかったなぁ〜?」
「お、おいっ!こんなところで何してる?そして何故そんな物騒なもんを…?」
言いかけると、一松が先頭に立ってニタリと微笑みかけてきた。
え?モーニングスター持ってるけど?
それ、一番狂気で凶器なんだけど?
嫌な予感がして、ダッフルコートを脱ぎ捨てGボールを両手に持ち臨戦態勢を取る。
主がくれたコートをボロボロにされる訳にはいかなかった。
「クソ松の分際で女を振るだぁ…?万死に値すんだよボケェーーーッ!!!!」
『ボケーーーッ!!』
モーニングスターが振り下ろされたのを合図に全員が飛びかかってきた。
「あ"ーーーーッ!!!!」
反撃するも、五人に太刀打ち出来るはずがなくボコボコにされる。
薄れゆく意識の中、頭に浮かぶはハニーの笑顔。
教えてくれ主…。
何故…オレの扱いだけ…いつも、こう…なん…だ………。
だが…これが、我が人生…セラ…ヴィ——。
・・・