第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
木枯らしが頬の熱を奪っていく。
目の前に広がる広大な池を眺めながら、オレ達は佇んでいた。
カップルやファミリーがボートに乗り、思い思いの休日を過ごしている。
それにしても、おっぱいに痛めつけられた腕がジンジンする。
帰ったらマイハニーに、負傷した戦士の傷を癒してもらわないと。
「…話したいことってなんだ?好きな奴の相談か?」
「気づいてる…よね?」
「んー?」
見つめれば、熱を帯びた瞳がオレを見つめ返す。その頬は紅だった。
「どうした?顔が赤い。熱でもあるんじゃないか?」
「んもうっ、にぶ山にぶ太郎さんっ!」
「いや、松野カラ松だ」
やはり難解ガールだ。
なぜこのタイミングでオレのフルネームを間違える?
熱で頭の中がおかしくなったのでは?
一人で家まで帰れるのか?
と、頭を悩ませていると、
「顔が赤くなっちゃったのはね、熱なんかじゃない…」
パイでかさんは、両手に二人で選んだ服を持ち、
「はい…」
オレの手に、そっと乗せた。
「これは、一体…」
「わたしの気持ち…だゾッ」
「…っ!?」
「牌出化伊予は…松野カラ松を愛しています」
パイでかさん。
嘘だろ?
「松野くんは、伊予のこと…LIKE or LOVE?」
こんなことって…。
——笑えない冗談だ。
「…教えたはずだ、オレには同棲しているかの」
「関係ナッシング!!」
「なっしんぐ!?」
「好きになったなら、そんなの関係ない!お願い!彼女と別れないなら二番目でいい!二番目でいいから付き合って!!」
オレを睨む潤んだ瞳とGカップが、不安げに揺れている。