第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
カラ松視点
「うふふっ!伊予的に松野くんのセンスよくわからないけど、一緒に選んでくれてマンモスうれピー!!」
「力になれて良かった」
サングラスをかけ直そうと、こめかみに手を持って行き、空を掴んで思い出す。
そうだ。
似合いすぎるパーフェクトグラサンに惚れられては困るので、家に置いてきたんだった。
「なぁ、用も済んだし、オレはそろそろ帰ろうと思うんだが」
「えーっ?彼女ちゃんにサプライズプレゼント買うんじゃないの?」
「それなんだが…実はもう用意していてな」
昨夜遅くに帰った後、メイド・イン・オレシリーズ最新作の仕上げをしてから寝たのさ。
早く家に帰ってハニーにあれを着せたい。
「でもでもでもー、アクセとか見るだけでも楽しいと思うなー?いいデザインのあったら買ってあげればいいし、ねっ?」
「え?っておいっ!ウェイトッ!!まだ行くとは一言も…!」
半ば強制的に腕を組まれる。
パイでかさん、痛いぞパイでかさん。
またそのなぜか硬い二つの爆弾を、オレの腕にぶるんぶるんさせ、肉弾戦と洒落込むつもりか!?
腕を引かれアクセサリー店に連れ込まれそうになったその時、
「っ!?」
殺気を感じ振り返った。
が、特にスナイパーに狙われている気配もなく、目に映るのは楽しげに語らいながら行き交う人々のみ。
(気のせい…か)
「なんでよそ見してるのー?おっぱいアターーック!!」
「いったぁ!?ってやっぱり確信犯!?」
いや、本人は男の下心を引き出す目的で、おっぱいアタックを繰り出しているんだろうが、痛みしかない。
腕にぶつけられまくってるけど、なんでこんな硬いの!?
オレの腕確実に破壊しにきてない!?
…って、まさかこのおっぱいはギルトパイ!?
傷つけるつもりが無くとも傷つけてしまう、悲しみの連鎖パイだというのかっ!!??
「松野くん、なんで泣いてるの?」
「人はみな…孤独」
「わけわかめー!!」
「痛い痛い!行くから!行くから離してくれぇっ!!」
・・・