第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
カラ松とパイ子はメンズの服屋に入った。
俺たちは店の外からガラス越しに監視中。
カラ松はクソイタイ白のTシャツを手にとりパイ子に話しかけている。
トッティがスマホからシャッター音を鳴らした。
「バカなの!?なんであんなチェーンぶら下がったイッタイTシャツチョイスすんの!?しかも所々穴空いてるし!位置的に乳首丸見えじゃん!」
そう言いながらまたパシャリ。
「女の子が持ってきたベージュのカーディガンには、首を横に振ってるね…」
「ってことは、パイ子が服選んでやって今日もあんな格好なのか?」
「パイ子ちゃんの趣味と違うから主ちゃんだろ…って、サラッとろくでもないあだ名つけるなよ!自然すぎて便乗しちゃっただろ!!」
「いちいち細かいとこツッコマないでシコ」
「せめて松つけて!?」
しっかしまぁ、これただのデートじゃん。
あいつ…就職した途端浮気かよ。
やっぱり、心も身体も純粋なニートこそ至高の存在だな。
「一松にーさん、カラ松にーさん黒確定なのーー?」
「十四松よ……これはもうただの黒じゃあない……ドロドロに腐敗した、クソ真っ黒なヘドロブラックだ…」
「マジきたないね!!」
なんか四男が後ろですごいこと言ってるんだけど。
カラ松…お兄ちゃんは悲しいよ。
お前が青から黒になっちゃうなんて。
カラ松達は三十分ほど悩み、結局、一番はじめに選んでいたチェーンの残念なTシャツを買って店を出た。