第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
トド松視点
みんなで夕飯をつついていたら、アポなしでスーツ姿のカラ松兄さんが遊びに来た。
照れくさそうに持ってきたお土産は、小倉たいやき七個と沢山の梨。
母さんが嬉しそうにお土産を受け取り、魚を一匹追加で焼き始める。
ちゃぶ台にぐるりと懐かしの六人が勢ぞろいだ。
「フッ、二ヶ月ぶりだな」
「二ヶ月会わないと耐性が抜けてるから、会うだけでイタさハンパないね」
「やめてよチョロ松兄さんっ。いくら何でも正直すぎるって」
「トッティ、お前さんいい子ぶってるけど、その発言でトドメ刺してるからね?」
えー?っと言いながら瞳をキラキラさせてカラ松兄さんを見る。
ホントだ、涙目になっちゃってるね、てへっ。
気を使うように、チョロ松兄さんが話しかけた。
「で?仕事は順調なの?」
「まだ慣れないが、なんとかついていってる」
「そうなんだ。カラ松兄さんが働いてる姿なんて想像もつかないけどねっ。主ちゃんは元気?」
「元気さ!ブラザー達に会いたがっていたから、今度連れてくる…って、オレとしたことが!」
思い出したようにポケットからスマホを取り出し指を滑らせている。恨めしそうに画面を覗き込むおそ松兄さん。
「うっわ、引くわぁ。一家団欒中になにしてんのー?その親指マジイラッとするー!」
「ハニーに、夕飯を実家で食べてくると伝え忘れていた」
「……コロス」
「みんな思ってるけど落ち着け一松」
味噌汁を啜りつつ諭すチョロ松兄さん。
カラ松兄さんは、ワザとっぽくカッコつけて笑っているけどたぶん傷ついている。
「んー?感動の再会なのにみんなつれないじゃないか?」
「そんなことないよーー!!」
「おぉ…十四松!」
「みんな同棲死ねって思ってるだけで、嫌いになったわけじゃないからねーっ!!」
「……」
あーあ、また涙目になっちゃった。
「その無垢さが一番怖いからやめて十四松っ!?」
「えーなにがー?」
チョロ松兄さんのツッコミが、十四松というジャンルにかき消された。