第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
ゴキブリ駆除で具合が悪くなったと上司に伝えたら、快く休憩を承諾してくれた。
「松野くんお疲れ様!はいっお水」
「……悪いな」
水を受け取り、パイでかさんとソファーに腰を下ろす。
「黒い影が見えた時はマジチョベリバだったけど、助かっちゃったー!」
「フッ、気にするな。男として当然のことをしたまでだ」
彼女と会話していると、どうにも違和感を覚える。
タイムトラベラーになった気分だ。
なんて考え込んでいたら、ななめに首をかしげ、上目遣いでオレの顔を覗いてきた。
「松野くんってー、よぉーく見るとカッコいいよねーー?」
「そ、そうか?」
「かなり変わってるケド」
「変わってる、か。褒め言葉だ…バーンッ」
あ…つい素を出してしまった。
うっかりクールでセクシーな、己のこめかみを撃ち抜くカラ松BANGを披露するなんて!
仕事中は控えていたのに!
これではまた、オレに心を奪われる哀れなカラ松ガールが増えてしまう!!
「キャーーッ!伊予、MK5ー!」
「え?」
「マジで恋する5秒前ー!!」
「あ、そうですか」
アウチッ!オレとしたことが…!
デスワードについて行けず、聞き返して説明させるという、最も相手に羞恥心を与えるミステイクを!!
しかもドン引きまでする始末。
きっと傷つけてしまったに違いない!
ってゆーか会話に疲れる!!
って、あぁぁあーー!!ガールに対して失礼じゃないかっ!
常に他人に対し優しく誠実でありたいのに!
やはりオレはギルトガイ!!