第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
大根を口に放り込んだ。
やはりしょっぱい。
目から零れ落ちた星屑が効きすぎだ。
だが、チビ太のおでんは相変わらず美味い。
「ケケッ、なーにしみったれた顔してんだバーロー!たまには息抜きも必要だと思うぞ」
「そうか…?」
「あのバカ共の顔見たら、悩みなんて吹っ飛ぶだろ!バカすぎてな!」
チビ太。それ、けっこう酷いこと言ってない?
「そうだな。今宵はもう遅いから、明日にでも顔出すとしよう。チビ太、お勘定」
「あいよ!まいどありー!」
財布から金を出し、釣りを受け取る。
ツケも既に支払い済みだ。
就職前では考えられない羽振りの良さだろ?
これでも家賃を払ってるし、実家に仕送りも始めたんだ。額は少ないがブラザー達のおやつ代くらいにはなるだろう。
「じゃあな、また来るぜ」
おでん屋台を後にし、ハニーの待つ愛の巣へと急いだ。