第66章 愛のカラ騒ぎ 次男END
ハニーは睡魔と戦いながらも、快感に目をトロンとさせ気持ちよさそうに喘ぐ。
夢中になりその声と締め付けを味わっていると、
——ピピ…
アラームのスヌーズ機能が鳴りかけすぐに止めた。
もっと堪能していたいのに、タイムリミットが刻一刻と近づいてくる。
残酷なモーニングだ。
空虚な時間を彷徨っていたあの頃では考えられない苦悩…。
「からまつ…くんっ、遅刻しちゃうよ?」
「そうだな…」
「わたしはいいから、カラ松くんが気持ちよくなるように動いて?」
なに…?
朝からワガママボーイなオレを気遣ってくれるというのか?
無理やり起こし抱いてしまったことに罪悪感を抱きつつ、抽送のスピードを速める。
「ハニーッ、すまない…もう、出す……っ」
「あんっ…あっ、あぁっ!!」
抱きしめ合いながら、波打つハニーの中に熱い欲を吐き出した。
・・・
急いで朝食を済ませシャワーを浴び、髪もロクに乾かさないままワイシャツの袖に腕を通す。
「はいネクタイ」
「フッ、センキュー」
「はいお弁当」
「お前の愛、しかと受け取った!」
「手を握ってないで早く準備して」
欠伸を堪える顔にそっとキスをする。
準備を終え玄関で靴を履いていると、子猫ちゃんを抱きながら見送りに来てくれた。
「じゃあ行ってくる」
「うん、いってらっしゃい!」
触れるだけのキスを交わしドアを開く。
朝からラブを注入されたオレは、かわいいハニーにウインクをプレゼントし、意気揚々と出勤した。
面接百社目、ついに就職が決まったオレは晴れて小さな会社の事務員になった。
ハニーの家に転がり込み、二ヶ月が過ぎようとしていた。