第65章 ※ライジング思考スキーと呼ばないで 三男END
主人公視点
仕事後、胸を弾ませ駅に向かう。
今日は一ヶ月ぶりにチョロ松くんと会う約束の日だ。
話し合い、彼がわたしの職場の最寄駅まで来てくれることになった。
チョロ松くんは、仕事が始まってから毎日とても忙しそう。
きっと、初めての仕事で覚えることも沢山だろう。
慣れない一人暮らしにも、四苦八苦しているに違いない。
駅前で彼を待っていると、ポケットが震えた。
——もうすぐつくよ
——はーい、待ってます!
チョロ松くんからのラインだった。
わたし達は、会えない寂しさをラインと電話で埋めていた。
やり取りは一日数件程度だけれど、家に帰ってくると「ただいま」の四文字を毎日送ってきてくれた。
その四文字は21時くらいの時もあれば、日をまたぐこともしばしば。
きっと、上司に付き合わされ、遅くまで飲んでいるんだろう。
だけど、どんなに遅くなっても必ず毎日連絡をくれた。
だから、わたしも毎朝「いってらっしゃい」を送った。
寂しくないと言えば嘘になる。
けれど。
離れていても一緒に頑張っている。
私が辛いとき、チョロ松くんも頑張っているんだ。
そう思うと勇気がわいた。
(早く会いたい…チョロ松くん)
わたしは目を凝らし、人混みの中必死に彼を探す。