第64章 ※トッティの葛藤 末弟END
主ちゃんが来た瞬間、デレデレになる童貞松兄さん達。
すかさずおそ松兄さんがレジカウンターに乗り出し肘をつく。
「聞いてよ主ちゃあん、コイツ意地悪してメニュー隠したんだぜー?」
「本当?トッティ、せっかくお兄さん達来たのにダメでしょ!」
「違うよ?メニュー汚れたから拭いてただけ。はいどうぞ!!」
——ベキッ!!
「アウチッ!?なんでいつもオ…レ……」
うっかり手が滑って、カラ松兄さんのこめかみにプラスチックのメニューがヒットしちゃった。
えへっ。
崩れ落ちるカラ松兄さん。
「ごめーんっ!手が震えてつい!」
「何してるの!?みんなごめんなさいっ!えーと、食べていきますよね?トッティは休憩入っちゃって!」
「え…?でも」
「いいから!」
分かったと言いつつも、心配すぎるのでまかないを準備しながら横目で監視する。
「ショートケーキ、ガトーショコラ、抹茶ミルフィーユ、シュークリーム、パフェをドリンクセットですね」
「あと持ち帰りでスマイルくださーい!」
クズ長男…そんなに某ピエロに消されたいのっ!?
「あはははっ!仕事中に笑わせないで!」
「やったー!スマイルもらっちゃったー!」
「ぼくもスマイルあげマーッスル!!」
「ありがとう十四松くん!では、お会計を——」
主ちゃん…。
そうやって、キミはいつも残念な兄さん達と仲良くしてくれる。
…ずっとボクの彼女でいてくれる。
(本当に…ありがとう)
ボクはまかないのミルクティーとプリンを持って、そっとバックルームに入った。
・・・
その後、兄さん達は閉店まで居座り帰って行った。
他のお客さんがいない時、ちょっとだけ7人で話し込んじゃったのは、ボクらだけの秘密だ。