第64章 ※トッティの葛藤 末弟END
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「お待たせしました!こちらケーキセットとお持ち帰りのケーキです!ありがとうございました!」
主ちゃんのケーキ屋でバイトを始めて、二週間が過ぎようとしている。
覚える事は沢山あるけれど、スタバァで働いた経験のおかげでなんとかこなせていた。
「トッティ、そろそろ休憩したら?」
白のキャスケットとコックコートに、ピンクのエプロン姿の主ちゃんが厨房から出てきた。
一方、ボクの衣装は白シャツにベージュのチノパン、ピンクのショートエプロンにピンクのハンチング。
うん、ピンクはどうしても譲れないんだ。
さりげなくボクのイメージカラー、ピンクのエプロンをしている主ちゃん。
相変わらずクソ可愛いよね!
「食器洗い終わったら休憩入るよ」
「分かった、じゃあ裏戻るね!」
主ちゃんの後ろ姿を見送って、客席のバッシングを始めた。
その時、
(来たな…蛆虫共)
自動ドアが開き、五色のパーカーがやって来た。
この間、おそ松兄さんと険悪なムードになったのを謝り、バイトのことを正直に話した結果がこれである。
また人の足を引っ張りに来やがったな。
努めて平静を装う。
「…いらっしゃいませ」
「おーーここかぁー。ここが噂の、末っ子が山吹色の菓子でバイトに漕ぎ着けたケーキ屋かぁー」
(悪意の有り余る言い回しやめて!?っつーかそんなの渡してねーしっ!!??)
長男の先制攻撃に、ボクの胃酸が大量に分泌され胃粘液を攻撃し始めた。
要約するとストレスハンパない。
「ダハハハッ!冗談だよ〜!えっとー、頼み方忘れたから教えてー!」
「…持ち帰りか何もせずお帰りになるか、どちらでしょうか?」
冷静になれボク。
コイツらのペースに飲まれたら負けだ。