第63章 ※月松 300拍手御礼話
主ちゃん、本当に具合が悪そうだ。
気丈に振る舞ってるけど、顔色が良くないしお腹も痛そう…。
長居したら悪いから、早めに切り上げて休ませてあげないと。
ボクは、ソファーの背もたれに掛けてあったブランケットを、主ちゃんの膝にふわりと掛けた。
「ありがとう…」
「さ、ミルクティーが覚めないうちに召し上がれっ」
「いただきますっ」
主ちゃんは可愛く両手を合わせると、アボカドディップをクラッカーに着けて食べ始めた。
シャリっとクラッカーの乾いた音が気持ちいい。
「おいしーっ!はいっ、あーん」
「あーーんっ」
はーっ、幸せだなぁ。
あーんからのアボカドディップ…。
兄さん達が虚しくパチンコやイタイ何か、地下ドル、猫、野球に明け暮れてる時に、ボクだけこんなに幸福でいいのだろうか?
……イイに決まってるよね。
ボク、カワイイし。
一番マトモだし。
「ほら、プルーンも食べて?」
「うんっ、トッティもプリン食べなよ」
「わーっ、おいしいなぁ!やっぱり主ちゃんのお店のフルーツプリンが一番だよ!!」
「どうもありがとうございますっ」
ボク達は、しばし二人の甘い時間を楽しんだ。
・・・
「じゃあ、またね」
おやつタイムが終わりを告げ、後ろ髪引かれる思いで部屋から出ようとすると、
「トド松くん…」
甘えた声が後ろ髪禿げる勢いで引っ張った。
即、振り返る。
「……どうしたの?」
「……一緒に寝よ?」
それは、ボクには天国、タッティには生き地獄なおねだりだ。
「もー…しょうがないなぁ」
なんて言いながら、すぐさま二人で布団に潜り込み腕枕をした。
気持ちよさそうに、身体を密着させる主ちゃん。
(生理が終わったら、ボクのおねだりもいーっぱい聞いてもーらおっと)
大好きな主ちゃんの香りに包まれ、ボクも目を閉じた。
末弟の場合 fin