第63章 ※月松 300拍手御礼話
末弟の場合
生理痛が酷いからと、デートを断り寝込んでいたら、家にトッティがやって来た。
「はい!アボカドディップとクラッカー、プルーンヨーグルト、カフェインレスのハニージンジャーミルクティーだよ!」
「すごい…こんなに沢山」
デパ地下の袋からガサゴソと何かを取り出したと思ったら、テーブルの上にオシャレな食べ物が並べられていく。
「いーい?生理痛は身体の冷えが大敵!アボカドのビタミンEは血行を良くし、プルーンで鉄分補給、しょうがは身体をあっためるだけじゃなくて便秘改善にもいいんだ。カフェインは血管を収縮させる作用があるから、カフェインレスのミルクティーにしたからねっ!」
「そ、そんなに大事じゃないと思うんだけどな」
「だって、生理ってアソコから血が出るんでしょ!?痛くて怖くてかわいそうなんだもん!女の子ってホント大変だよね」
ウルウルしだすトッティ。
そういえばオバケとか苦手って言ってたし、血も怖いのかもしれない。
「大袈裟なんだからっ。でも、ありがとう!」
「あっ、あとさっき下でお義父さんに挨拶したらさ、フルーツプリンもくれたよ!えへっ、二個も貰っちゃったーっ」
カスタードプリンの上にホイップクリーム、イチゴ、ブルーベリー、キウイ、桃、オレンジが乗った、ウチの人気メニューもちゃっかり貰ってきたようだ。
ま、お父さんは最近トッティお気に入りだしね。
この間も、愛嬌があっていい子だ、接客に向いてるなんて言ってたっけ。
もしかしたら、付き合っているのもとっくにバレているのかもしれない。
…そろそろ、ちゃんと彼氏として紹介してもいいのかな。
キリキリ痛むお腹を押さえ、起き上がりソファーに腰掛ける。
トッティは食べ物をテーブルに並べ終えると、なぜかスマホで撮りだした。
「えと、何してるの?」
「え?ほら、こうして並べるとなんかオシャレじゃない?」
「そ、そうだね…」
確かに、色とりどりで可愛いしオシャレな雰囲気を醸し出している。
そんなトッティに、やっぱりわたしより女子力が高いと思い知らされた。