第63章 ※月松 300拍手御礼話
——カッキーン!
画面からホームランの気持ちいい音が聴こえてきた。
「ナイスバッティング!!」
「あっははー!打ったどーー!!」
念願の初勝利に、嬉しそうに手をパタパタさせている。
しばらく二人で勝利の余韻に浸った後、スマホの画面を切ると、十四松くんが抱きしめてきた。
(こ、これはもしかして…お誘いを受けている?)
そういえば、なんとなく下半身がいつもの感じになっているような…。
「主ちゃん、あのね」
「ゴメンッ、今日生理なの…」
「っ!!」
「ん?」
なぜか顔がまっかっかになり、頭から湯気を出す十四松くん。
「どうしたの?」
「ごめんね、ぼく一人ですっごくドキドキしてた!じゃあ…」
(あ…)
十四松くんはわたしを寝かせ、膝枕をしてくれた。
お腹を優しくさすられ、心地よくて目を細める。
「はやく治りますよーに!!」
「あの…生理は病気じゃないし、さすっても早く終わらないよ?」
「ボゥエッ!?」
「あははっ!でも気持ちいい…ありがとう」
鍛えられた硬い太腿に頬を擦り寄せると、ぼんやりと眠気が襲ってきた。
生理中って、どうしても一日中眠くなるんだよね。
「十四松くん、ちょっと眠ってもいい?」
「いーよー!じゃあゲームやってていーい?」
「もちろん!あ、あと…なんか頭にゴツゴツ当たるんだけど、これは…収まらないの、かな?」
「ムリだねっ!!」
…そんな風に言われたら、ほっとけるわけがなかった。
わたしは起き上がり、黄色いつなぎのファスナーを下げる。
「あれ?寝ないのー?」
「…彼女としての、務めを果たさせていただきます」
「えー?」
その後、口でのご奉仕を終えて、二人でのんびりお昼寝をした。
だららんと過ごすのも、なかなか会えない二人にはかけがえのない時間なのだった。
五男の場合 fin