第63章 ※月松 300拍手御礼話
五男の場合
松野家にお邪魔すると、珍しくわたしと十四松くん以外誰もいなかった。
「じゃあ、打撃アップするね!」
「あいっ!!」
十四松くんとソファーに座り、スマホアプリのパ○プロで遊んでいる。
野球大好きな彼なので、喜ぶと思ってインストールしてみたら、案の定食いついてきた。
わたしが選手を育成して、試合を十四松くんが担当しているんだけど…
「空振り三振…」
「あっははー、クソムズいね!!」
ボロ負けである。
「ま、まぁ、ゲームと現実は違うからねっ」
「ねーねー!いーすか?リベンジいーすかっ!!」
「もちろんっ!」
よかった。
試合画面を見て目をらんらんとさせている。
彼は、野球そのものに喜びを感じてくれているようだ。
「この人差し指に…ありったけのぼくを込めるっ!!」
「あの…絶対に画面割らないでね?」
「ダイヤモンドを制するのはぼくだよ!!」
(ダメだ…全然聞いてない)
けれど。
子供みたいにはしゃぐ十四松くんがなんだか可愛くておかしくて、胸がポカポカになった。