第62章 ※おそ松と何気ない日常を過ごしたい時に読む話
ボリボリボリボリ。
二人きりになれなかった事にイライラしながら、女子達の会話には入らず、ひたすらポップコーンを食べる。
「え?今日一人で観に来たの?」
「うん!一回目は友達と来たんだけど、それからはまっちゃって今日で三回目なんだ」
「へーえ、そんなに面白いんだ?」
「面白いなんてもんじゃないよ!胸キュンのオンパレード!ボクこの映画好きすぎて、一人で六本気の麻縄カフェ行ったし、長野県のワス湖まで聖地巡礼してきちゃった!」
えぇぇえーー…!?
なにこの末っ子…主ちゃんには惜しげも無くプライベート垂れ流しだよーー!!
聞いてない…お兄ちゃん聞いてないよ?
ドライモンスターはまさかの兄弟限定なの!?
あっ、今心臓キュってなった。
「いーなー、わたしもワス湖行きたい!そこが舞台なんだねっ」
って触発されてるー!?
まぁ、長野くらいならドライブがてら行ってもいいけどさ…。
「舞台というかモデルになってて…ってゴメーン!まだ観てないのにちょっとネタバレしちゃった!」
「女子達、そろそろ静かにしてくんない?もう始まるから」
トド松のドラモンっぷりにメンタルやられかけたが、絶妙なタイミングでシアターが暗くなり、広告が流れ始めた。
・・・