第62章 ※おそ松と何気ない日常を過ごしたい時に読む話
恐る恐る肩をつつくと、
「フッ、随分とシャイじゃないか……やっと来たかい?」
カラ松くんは待ちわびていたようにクルリと振り返り、
「カラ松ガールズ…!」
サングラスを外しながら珍妙なセリフを吐いた。
その瞬間を狙い澄まし、
「ワッ!」
顔の前で両手を広げて驚かす。
けれど。
「え……?」
キョトンとするカラ松くん。
——詰まる所不発だった。
もうイヤだ、走って逃げたい。
川に飛び込みたい。
「ご、ごめんなさい。見かけたから驚かせようと思って…」
恥ずかしさで顔が真っ赤になり俯くと、カラ松くんは口角を上げて微笑んだ。
「い、いや、オレの方こそすまないっ!つい嬉しくなって固まってしまった!まさか、おそ松ガールに会えるなんて!」
(おそ松ガール…?)
「あの、何してるの?」
「何って、シャイニングリバーに映る自分を見ていただけさ」
つまりは暇らしい。
「主、罪なガールだ。おそ松ガールという身でありながら、オレに眩しい笑顔を向けてくるとは…」
「へ?」
「さぁ、もう一度出会いのシーンをやり直そう!向こうを向いているから驚かせてくれ!今度は全力で受け止めてやるっ!!」
クルリと背を向け川を眺め始めるカラ松くん。
そのタイミングで、死角にいたおそ松くんがそろりそろりとやって来た。
ニタリと笑い、カラ松くんの肩をぽんぽんと2回叩く。
「んーー?会いたかったぜカラ松ガー」
「ゔえぇぇえおぉぉおあああーー!!!」
「あ"ーーーーーっ!!??」
ザブンッ!!
おそ松くんのゾンビボイスに驚き、一松くんに続き、バランスを崩したカラ松くんが川に落っこちた。