第61章 カラ松と媚薬で酔いしれたい時に読む話
「……う…ん」
ようやく頭痛が治り瞼を開くと、目の前に潤んだ瞳でオレを見つめる主がいた。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「…わりィ…すぐイッちまって」
「えっと…その…」
主の目が泳いでいる。
なんだ?
急にヨソヨソしくなって。
「どうした?」
「——あなた…だれ?」
「は!?」
何言ってやがる?
イキすぎて記憶がぶっ飛んじまったのか?
「誰って、カラ松だよ!」
「う、嘘!!急にカラ松くんが光に包まれて、光が消えたらあなたがいたんです!」
「光に包まれて?寝ぼけたこと言ってんじゃねーっ!」
睨みつけると、主は警戒心丸出しな顔をしながら、オレのバスローブで身体を隠している。
…嘘をついているようには見えない。
(まさか…!)
急いで立ち上がり、洗面所の鏡を見に行くと、
(チッ、やっぱりな)
なぜかオレはF6になっていた。
思い当たる原因はただ一つ。
(媚薬の効果が変な方向に作用しちまったっつー訳か…)
しかも下を向くと、一度イッたのに下半身も元気になっている。
(……コイツを鎮めれば、元に戻りそうだな)
だがまずは、どうやってあいつに、オレがカラ松だって信じて貰えるか考えないといけない。
頭の中、思考を張り巡らせながら洗面所のドアを開けると、テーブルに麦茶を用意する主がいた。