第61章 カラ松と媚薬で酔いしれたい時に読む話
「なんだか…変なの……」
「変…?」
「…身体が、熱くて」
今にも泣き出しそうに、身体の疼きを訴えてくる主。
鈍いオレは、そこでようやく気がついた。
(媚薬の効果か…っ!)
そういえば、デカパン博士はオレではなく主にモニターになって欲しいと言っていた。
他の知り合いもほぼ男だし、トト子ちゃんに頼むわけにもいかなかったのだろう。
もしかしたら、マジLOVE6000EXは、ガールにしか効き目がないのかもしれない。
沢山身体を重ねてきたが、こんなに色っぽい主は初めてだ。
オレがこういう状態にしていないのがなんとも悔しいが、博士の媚薬は本物だった。
「熱い?どこが熱いんだハニー?」
一体どれくらい感度が上がっているのか知るために、ソファーに押し倒し首筋に指を這わせた。
「…んっ」
キュッと固く目を閉じ、顔を背けるマイハニー。
『——これ以上は続けられない。私達は一緒にいては駄目なの。お互いを傷つけ合ってしまうから…』
愛の終わりを告げるシーンが、テレビから流れ始めた。
そんなセリフ、今の二人には似つかわしくない。
「主…」
オレは、目眩を覚えるほど魅惑的な主の色香に、身も心も熱く焦がれていった。