第61章 カラ松と媚薬で酔いしれたい時に読む話
「ミウなら、カラ松くんの奇行にドン引きして逃げちゃったよ?」
「そ、そうか…」
バスローブを羽織り直し、咄嗟に小瓶を隠そうとすると、
「あ、それ栄養ドリンク?疲れてたからちょーだいっ」
「えっ?」
テーブルから素早く小瓶を取り、主はこくんと媚薬を飲み干してしまった。
(おいウソだろーー!?まさかの原液直飲みーー!!??)
固まるオレを他所に、主はありがとうと言いながら小瓶をゆすいで、ビン専用のゴミ袋に捨てた。
「りんごジュースみたいに甘くて飲みやすいね」
「そう…なのか?」
「えっ?飲んでなかったの?」
「いやっ、飲んだ!飲んださ!」
変なの、と言って主は髪を乾かしに洗面所へと向かった。
オレの目の前には、媚薬が半分入った麦茶。
(主…オレ達は運命の赤い糸で結ばれたデスティニー…一人にはしない、逝く時は一緒だ……)
元はと言えば、自分で蒔いた種。
深呼吸をすると、オレは麦茶を一気に飲み干した。