第60章 チョロ松とオコタみかんしたい時に読む話
「どうしたの?」
「俺さ…やっぱ弟に嫌われてんのかなー」
「え?」
「なんっかすぐ喧嘩になっちゃうんだよ、マジで心配してんのに」
おそ松くんは、チラリとチョロ松くんが寝ているのを確認すると、話を続けた。
「でも、主ちゃんと一緒なら、俺が気にかけなくても大丈夫だな。コイツ彼女出来てから、全然アイドルのライブ行かなくなったし」
「へぇ、そんな趣味があったんだ」
「趣味っつーか、現実逃避っつーか…ま、チョロ松をこれからもよろしく!」
ぽんぽんと頭を撫でられると、なんだかくすぐったい気持ちになった。
「素直になれないだけで、チョロ松くん、おそ松くんを大好きだと思うな」
「そうかぁ?」
「うん、なんとなくそんな気がする。ただ、その…いろいろ知られちゃうのが恥ずかしいみたいで」
「俺は別に、弟が変態でも玩具使いでも気にしねーのに」
(バ、バレてる…)
ものすごくこちらが恥ずかしいのだが、おそ松くんは気にする様子もなく、みかんをパクッと食べた。
「ま、そーだよな。二人が楽しんでんならそれでいーし。あー腹立つー!俺も彼女ほしーい!」
「ふふっ、トト子ちゃんとは上手くいってる?」
「いってねーから言ってんの!ったく、チョロシコのくせに…なんで……くそっ………!」
「…おそ松くん?」
俯くおそ松くんの顔を覗き込むと、おそ松くんの頬がほんのり赤らみ、そして…
「なぁ…今だけ」
「!!」
トスンとわたしの膝に頭を乗せてきた。