第60章 チョロ松とオコタみかんしたい時に読む話
「おい止めろよ!主ちゃんの前でそーゆーことゆーな!!」
「あー否定しないからそーなんだ。セックスするから俺が邪魔だって?」
主ちゃんは動揺したのか、顔を真っ赤にしながら、剥き途中だったみかんの皮をポロリと床に落とす。
「だ・か・ら!そーゆー赤裸々なことゆうなって!!」
「そんな紳士ぶっておきながら、いつも主ちゃんにどんなプレイ強要してんだかねー?」
「はぁーっ!!??」
深いため息を吐きながら、おそ松兄さんは彼女の前でトンデモナイ発言をした。
「ずっと気になってたんだけど…最近お前、俺のじゃ満足できなくなって、マニアックなエロ本買い始めたでしょ?もうお兄ちゃん、愛する主の身体が心配で心配で…」
「オイオイオイ!!何言ってんの!!??」
恥ずかしすぎて血液が沸騰しそうだ。
思わず僕は立ち上がる。
「それに最近買ってたアレ、AVの影響受けすぎ!あんなん素人に使ったら絶対に痛いだ」
「ヤメロォォォオオーーッ!!!!」
—ベキッ!—
「キャーーッ!!」
気がつくと僕は、おそ松に向かって渾身の右ストレートをお見舞いしていた。
尻もちをつき、左頬を押さえるおそ松兄さん。
主ちゃんは驚き、両手で口を覆っている。
「えーーっ?手ェ出したよこの人!?」
「おそ松くん大丈夫!?」
「だいじょぶじゃなーい!主ちゃんがイイコイイコしてくれないと前歯取れるー」
兄さんに駆け寄り、殴った頬を撫でる主ちゃん。
「チョロ松くんヒドいっ!どうしてこんな乱暴するの?」
「そーだそーだ!」
おい、さりげなく主ちゃんの膝に頭乗せんな。
僕はおそ松の目の前に立ちはだかり、侮蔑を込めた瞳で見下げる。
「…とっとと失せろ。さもなくば、今度こそキサマとは赤の他人だ」
「コワーい…もうヤダこの弟〜、イヤミにタカリにでも行ってこよーっと」
頬を押さえたままおそ松は身を起こすと、舌打ちして部屋を出て行った。
彼女の前で手荒な真似はしたくなかったけど…なんとか長男を撃退出来た。
仕方なかったんだ…。
アイツが…余計なこと言うからだ。