第60章 チョロ松とオコタみかんしたい時に読む話
思えばいつも、コイツは僕に付き纏ってくる。
初めての映画館でもやらかしてくれたし、二人で居酒屋にいる時だってそうだ!
それだけじゃないっ!
主ちゃんのことを抜きにしたって、いっつもズカズカと人のプライバシーに土足ならぬフルチンで上がり込んでくるんだ!!
思い起こせばキリがないっ!!
もうアレだろっ!!
ここまで来ると、一周回って僕のこと好きだろっ!?
好きだから僕と主ちゃんをダメにしたいんだろっ!?
誰がお前のなんてしゃぶるかっ!!
誰がお前の熱い欲棒をケツ毛巻き込まれながら受け止めるかっ!!
あーもう早く帰れよ!!って、帰る場所ここだよ!?
えーっと、
「僕たち今みかん食べてるから、早急に用事を済ませ、速やかに出かけてくれない?」
「なにこの人…目つきヤバいよ?っつか用が無いから帰ってきたんだけど」
「チョロ松くん、そんな風に言わないの!みんなでみかん食べよう!はい、おそ松くんっ」
『悪いねー』なんてひとっつも思ってないくせに言いながら、僕らに向かい合うようにしてバカ松は座った。
優しすぎる。
優しすぎるよ主ちゃん。
このバカはね、冷たく突き放して心に雲より高くそびえ立つ壁を作るくらいでちょうどいいんだ。
何もこんなバカの為にキミが手を汚し、みかんの皮を剥いてやる必要なんて無いんだ。