第57章 トッティとドキドキしたい時に読む話
「こんなところにいたんだねっ。行こう主ちゃん」
「ちょっとちょっとおにーさん、横取りやめてくんない?今俺たちがこの子口説いてたんだけど?」
「トッティ!ほら、おそ松くん達だよ?」
「ふふっ、急にどうしたの?ボク一人っ子って言わなかったっけ?今まで見ていた兄さん達は、寂しいボクが描いた幻想の兄さん達だよ」
ボクはイルミネーションに負けないくらい、キラキラと澄んだ瞳で微笑んだ。
「いやお前にそんな闇背負った設定ねーから!?」
うるさいなぁライジングのくせに。
そのまま雲の上まで自意識ライジングして星になれば良いのに。
「相変わらずお兄ちゃんの心臓をキュッてするの得意ねー」
「それにしても、作り物の光とはいえ心奪われるな…」
「場違い感ハンパないね」
「……コロス」
「まじ電気代ヤバいね!!」
これまでの教訓を生かすんだ…。
コイツらは基本スルー。
これで全て上手くいく。
関わってはダメだ!
「トッティったら変な冗談言って!こんなところでみんなに会えるなんて思わなかった!」
「いやぁートッティのスマホでエロ動画見ようとしたら、検索履歴でココがたんまり出てきてねー、長男としてほっとけなくて」
「ボクのプライバシー何処行った!?」
(って、しまったあぁぁぁあーーっ!!反応しちゃったよーー!!)
ボクは瞬時に後悔し、己の心の弱さに泣いた。
心の中で大号泣した。
あーホント死んでくれないかな。