第57章 トッティとドキドキしたい時に読む話
(何だろ?画面の左端に、こんなカップルだらけのスポットで、いい歳した大人なのに童貞オーラ全開な心霊現象よりよっぽど怖くて悲しくて見苦しくて場違いで気味悪い五人組が写っているような…)
すぐ削除してツリーを撮り直す。
(うん、今度はとってもイイ感じ!)
変なのが来る前に速やかにこの場を立ち去ろうと、急いで主ちゃんの方へ振り向いた。
「主ちゃん、イルミネーションはもういいよね?どっか飲みにでも」
「EDじゃないよ!!えるいーでぃーーっ!!」
「……」
ボクは、目の前の全身豆電球な電飾人間をスルーして主ちゃんを探す。
(さっきまでここにいたのに何処行っちゃったんだろ…こんな人混みではぐれたら心配なんだけど)
「ねーねーおねーさんヒマァ?俺達といいコトしなーい?」
(ほら、ああいう赤い変なのがいるから……って)
ボクはツカツカと赤・青・緑・紫色したバカな輩へ近づき、絡まれていた主ちゃんの手を強引に引いた。