第56章 お前がいないとだめなんだ カラ松
「少しの間だったが、一人になりオレはわかった」
頬を赤らめながら、視線が交わりあう。
「オレは……」
カラ松くんはため息と共にふわりと微笑んだ。
「——主…お前がいないとだめなんだ」
…だめだよ。
そんな事言われたら、また涙が止まらなくなっちゃう。
また、視界が海の中にいるみたいにぼやけ始める。
「…もう、離れるなんて言わない?」
「ああ、約束する」
わたしが抱きつくと、キツく抱きしめ返してくれた。
胸の奥から温かい何かが込み上げわたしを包み込む。
カラ松くんの体温、鼓動が、まるで自分の一部のようにピタリと寄り添ってくれた。
・・・
しばらく二人で言葉も交わさず抱き合っていると、
「なぁ…いいか?」
いつの間にか、下半身に硬いモノが当たっている。
「でも、怪我してるのに平気なの?」
「負傷した戦士に必要なもの…それは、心から安らげる愛!」
「……」
よくわからないけど、逃げられないことはよくわかった。