第56章 お前がいないとだめなんだ カラ松
そんなこんなで夜になった。
僕らはいつものように、六人でおでん屋の長椅子に腰を下ろし、ビールのつまみにおでんを頬張る。
家に帰って来ると、カラ松兄さんは終始誰とも口をきかなかった。
そんな塞ぎ込んでいた兄さんを、みんなして無理やりチビ太の元へ連れてきたのだった。
みんながワザとっぽく明るく振る舞う中、やっぱりカラ松兄さんは無言で俯いたままだ。
無言で俯いているだけならいいけど、更にキャラ崩壊はおかしな方向へ…。
「もうムリ我慢出来ないっ!あのさ、なんでみんなノーリアクション!?さっきからカラ松兄さんだけ劇画タッチだけど!?どこのサーティーン!?気になっておでんつつく箸止まるからっ!!」
「…別に、フツー」
トド松のツッコミに、ようやくカラ松兄さんが口を開いた。
もしかしたら酔い始めているのかもしれない。
そして全然フツーじゃない。
何故かは分からないが、あまりに悲しみや重圧を背負いすぎたせいなのか、カラ松兄さんだけ「ゴ○ゴ13」風になり、斜め上な逆作画崩壊を起こしている。
サングラスで目は見えないものの、どこぞのヒットマンみたいな眉毛をし、下手したら顎が割れる勢いだ。
僕の隣にエセデューク東○がいる。