第56章 お前がいないとだめなんだ カラ松
カラ松追跡隊が次に訪れたのは、二階建ての小綺麗なアパートだった。
「ねぇねぇ、このオシャレな感じのアパートってもしかしなくても…」
「やめろトッティ!その言葉を口にしたが最後、魂抜かれるぞ!!」
「おそ松にーさんコワイよーー!!リア充滅びろーー!!」
抱き合う長男と末弟。
「あのさお前ら、痛いほど気持ちは分かるけどうるさい」
「…ちょっと、人殺してくる」
「だからそれも気持ち分かるけど落ち着け一松っ!!」
一松の腕を掴みなだめる。
「アッハハー、ベッドの上でアクロバティックッ!!」
「お前までどうしたの十四松っ!!??」
なんだこのカオス的状況は。
こんなにみんなで殺意プンプンにしていたら、殺気でバレてもおかしくない。
てゆーか、僕らの周辺なんかどんよりしてるけど、磁場狂い始めてない!?
(僕だってあいつが彼女の家に行くとか死ぬほど羨ましいよ!でも、なんとか僕だけでもマトモでいないと…!)
主ちゃんの部屋は二階らしく、僕らは階段には登らず、ドアの見える駐車場の隅でひっそりとスタンバイ。
少し経つと、カラ松兄さんが立っている部屋のドアが開いた。